令和7年7月4日(金)
第861回平塚市倫理法人会経営者モーニングセミナー
【サステナブルな社会の実現に向けて:現状と私たちの役割】
一般社団法人 ブルー・ガーディアンズ 代表理事 清水 昌也氏
近年、「サステナブル」という言葉を耳にする機会が増えました。
これは単なる流行語ではなく、「人」「環境」「社会」の3つの要素がバランス良く循環し、持続可能である状態を指します。
もしこのバランスが崩れれば、地球は私たち人間が住めない場所になってしまうという危機感から、サステナブルな社会の実現が強く求められています。
地球が抱える深刻な環境問題:
地球の人口は増加の一途をたどり、1960年から2020年の間に60億人から80億人へと大幅に増えました。
しかし、地球の資源や環境は増えていません。経済活動は自然の資源を消費し、CO2排出や生態系の破壊、プラスチック汚染といった負の側面を生み出しています。
気候変動: CO2の排出削減は困難を極め、2050年のカーボンニュートラル達成も危ぶまれています。
現在の技術だけでは排出削減が追いつかず、地球の限界はすでに超えつつあります。
生物多様性の喪失: 1975年頃は年間1種程度の絶滅でしたが、現在では毎年4000種もの動植物が地球上から姿を消しています。
このペースが続けば、人間社会への影響も避けられません。
海洋プラスチック汚染:
世界では年間5200万トンものプラスチックごみが管理されずに存在し、毎日800万トン、年間525万6000トンが海に捨てられています。
太平洋には日本の約4.4倍もの面積を持つ「太平洋ゴミベルト」が存在し、その約3割は日本のゴミと言われています。
日本の近郊でも深海6000mの日本海溝や静岡沖の深海でプラスチックが確認され、長崎県対馬には年間大量のゴミが漂着しています。
このままでは2050年には海のプラスチックの総重量が魚の総重量を超えると予測されており、私たちは1週間にクレジットカード1枚分のマイクロプラスチックを摂取している可能性があります。
日本の沿岸のマイクロプラスチック濃度は世界の平均の27倍にもなります。
根本的な解決策と「循環経済」への転換:
これらの問題の解決には、個々の素材を生分解性にするだけでは不十分です。
ゴミの総量を減らし、最終的にはゴミを捨てるという行為そのものをなくすという、根本的な変革が求められます。
そこで注目されるのが「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の考え方です。
これは、製品の設計段階からゴミが出ないように考慮し、資源を最大限に有効活用するシステムです。
単なるリサイクルにとどまらず、そもそもゴミを出さない設計が重要となります。
私たちの目指す未来:
私たちの団体では、このサーキュラーエコノミーの考え方に基づき、「ゴミを燃やさずに再資源化する(ケミカルリサイクル)」という取り組みを進めています。
海に年間800万トンも流出しているプラスチックを「出さない」ようにするだけでなく、生活からどうしても出てしまうゴミは積極的に回収し、再資源化することで、最終的に「海へのプラスチック流出を年間プラスマイナスゼロにする」ことを目指しています。
未来を築くためには、一人ひとりの行動が重要です。
ゴミを拾う、持続可能な選択をするなど、小さな一歩が誰かの行動に繋がり、大きな循環を生み出すことができるのです。
井出真太郎 副専任幹事 記








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