令和7年2月7日(金)
第842回平塚市倫理法人会経営者モーニングセミナー
【幸せって何だっけ?】
厚木伊勢原倫理法人会 中川 真樹 専任幹事
アントニオ猪木ばりの赤い闘魂タオルを首にかけ、颯爽と登場された講師の中川様。
落語のようにマクラから入り、
趣味である人間観察のエピソードを交えながら、
まるで本物の落語を聞いているかのような、
泣きあり笑いありの素晴らしい講話でした。
読書家でもある中川様は、
感銘を受けた3冊の本を紹介しながら、
倫理の学びと実践について語ってくださいました。
なかでも『万人幸福の栞』については、
「これは単なる本ではなく、困ったときや振り返るときに開く、まさに『しおり』である」と持論を展開。
筆者も「しおり」についてGoogle検索をしてみたところ、
その語源は「枝折る(しおる)」にあり、
山道を歩く際の道しるべとして木の枝を折っていたことに由来するようです。
つまり、『万人幸福の栞』は、人生の道しるべそのものなのですね。
中川様が最初に紹介されたのは、
エーリッヒ・フロム著の『愛するということ』。
人間は愛に包まれていなければ存在できないという考えを示しながら、
「倫理法人会にいれば、さまざまな言葉のシャワーを浴びて心を洗うことができる」と話されました。
さらに、
「運(ウ)・縁(エ)・恩(オ)に出会うことができるが、その上には愛(アイ)がある」と説き、
母親から与えられたこの人生は、
彼女の愛によって包まれていると、
自らの存在の根源にある愛について語られました。
次に紹介されたのは、
ヨースタイン・ゴルデル著の『ソフィーの世界』。
中川様にとって、自分の心を大きく変えてくれた一冊だったそうです。
古今の哲学者の考え方をわかりやすく学べるだけでなく、
「人間とは何か?」「人生とは?」「幸せとは?」といった問いに対し、
答えは分からないけれど、
考えること自体が面白いと感じたそうです。
また、「他者の考え方を知る」という点において、
後継者倫理塾への参加が非常に有意義だったと振り返られました。
平塚市倫理法人会の役員や会員、先輩塾生や同期との出会い、
そして彼らの実践報告から得た感動は、
かけがえのないものだったとのことです。
そんな母親の愛について、もう一つ印象的なエピソードがありました。
ある同級生が、出産とともに亡くなったという出来事を通じて、
母親が命がけで子を産むことの偉大さを改めて実感したそうです。
さらに、中川様自身、生まれる前の不思議な記憶があるそうです。
それは、雲の上にいて、
誰かに「君の人生は最初は大変だけど、だんだん良くなるよ」と言われ、
母親のお腹の中へ飛び込んだというもの。
そして、最後に紹介してくださった本が、
産婦人科医・池川明氏の『雲の上でママをみていた時のこと』でした。
夢なのか記憶なのか定かではなかった自身の体験が、
この本に記された胎内記憶の話と重なり、
自分が母親を選び、母親が無事に産んでくれたことへの感謝の念が深まったそうです。
しかし、中川様の母親は30年前に父親と離婚し、家を出て行ってしまいました。
後継者倫理塾の100日実践では、母親へ毎日手紙を書くことに挑戦。
その中で、母親への感謝を書けること自体が喜びでありましたが、
何よりも嬉しかったのは、母親からの返信だったそうです。
そこには、父親との関係や家を出ざるを得なかった理由、
そして子供たちへの謝罪が綴られており、
まさに母親が本当に心を開いてくれた瞬間でした。
倫理法人会との出会い、
後継者倫理塾への参加、
そして100日実践を通じて得たこの経験。
もしこの学びと実践がなかったら、母親との関係がここまで深まることはなかったかもしれません。
そう語りながら、中川様は感謝の気持ちをもって、講話を締めくくられました。
会員 鈴木 孝一 記








コメントを残す