藤原 隆司 平塚市倫理法人会 会員、合同会社M&R 代表

価値観から使命(社会貢献)へ

9月29日 第769回 平塚市倫理法人会経営者モーニングセミナー
【価値観から使命(社会貢献)へ】藤原 隆司
平塚市倫理法人会 会員、合同会社M&R 代表

 岡山県出身、39歳。

 小学生の時にすでにHPを作ったという早熟ぶり。シドニーの高校に進学、洋楽紹介のHPの広告費で学費を捻出していた。帰国後は大学の分子生物学の研究者に。しかし、当初潤沢だった研究費も徐々に減り、日本の研究者にありがちな研究者貧乏(最終的に年収72万円だったとの事)に陥って辞めようと考えた。当時の教授に日本の世の中を動かしているのは中小企業だという事を教示され、多くの中小企業の社長に会い、折しもインターネット時代が到来し、得意だったIT技術を駆使し2013年に広告会社を創業。東南アジアにも会社を拡げ、縁が有りAI開発会社の役員に就任、AIを使った事業展開をしていた。

 2020年に結婚、将来ITだけではダメだろうと考え、人生を変えようと2022年4月に神奈川県開成町に転居、9月にM&R(WEBコンサルティング)を開業。単なるHPサイト改善事業ではなく、インターネットにより変化した消費者動向への対応の仕方、今の時代にいかにフィットさせるかがメインの事業。不動産屋や小売店も、たとえ自分の会社は関係ないと思っている事業主も現代は否応なくビジネスの主戦場はウエブサイトに移ってしまったので対応は必須。しかし顧客は全然来なかった。それでどうしたか。

 新しい事業展開として、M&Rのイノベーション~「チョコレート屋さん」事業を開始。まず、講師自身が大のチョコレート好きだったのは大きいが、収益性が高く、しかも社会性が高い事業は既に多くの企業が参入していて競争率が高く難しい。そこで収益性が低いが社会貢献度が高い分野に挑戦。

 カカオ農場の現状のお話。価格の低迷、児童労働の問題。カカオだけで最低限の生活が可能なのが全農家のたった7%だけ。安く買いたたく等、貧困は自然現象ではなく人間が作り出したものである。支援をすると言っても今やっている事は偽善ではないのか。カカオの価格を上げるにはどうしたら良いか。コーヒーやビールの様に香りや食感と言った高付加価値を付ける。健全な農家から直接購入し中間マージンを排除し、価格に転嫁し、農家への還元率を現状の6.6%から30%に引き上げている。仲間を増やし、より多くの農家の収支の改善とカカオの価値を伝えることに腐心している。いずれは地域社会、この神奈川県にも貢献したいと考えている。

 何を伝えたかったか、まとめます。

インターネット、DX戦略3要素とは?

  1. 長期視点で考える:この事業は目先の利益ではなく、30年先に必要とされるものか。
  2. 競合と異なる選択:価格競争ではなく独自の戦略、差別化
  3. 選択と集中:自分たちの事業を再定義する。誰のためになる事業なのか。

 3要素をしっかり理解し、DXの3段階を実践する。

第1段階はパッション;がむしゃらな努力・・・当たり前、でも難しい。
第2段階はポジション;その分野の第一人者になる・・・ブレない、卓越する。すると色々な情報が入ってくる。

 そして最上位、最終段階はミッション;自分達だけ、自分達だからこそ可能な社会貢献が出来る事。
なぜ事業や戦略が上手く行かないのか。それはビジョンやミッションが無いから。やりたい事ではなくやれることを選んでしまう。そうではなく、まずはビジョン・ミッションに即してやってみる。何でも良い、今はチャンス。チャレンジ、リスクを取ることが大事。自分は運、タイミングが良かったと講師は謙遜もされていた。

 講師はコンサルティング業をやっているのかと思いましたが、もっと大きな事、社会貢献を考えている。自分のやりたい事をやる、勿論社員の幸せも大事、そして自分だけの社会貢献;ミッションを達成する。まさに倫理を実践しているというお話でした。
新規事業を始めたい方だけでなく、既存の経営者がどのようにDXを含め事業を発展させていくかの指針にもなると思います。私佐藤も大変勉強になりました。

 最後に、デジタルガバナンス・コード2.0、事業再構築で2000万円まで補助金が出る、と言う裏話は皆さん調べてみましょう。

佐藤研 記

9月29日 第769回 平塚市倫理法人会経営者モーニングセミナー
【価値観から使命(社会貢献)へ】

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