第693回 平塚市倫理法人会 経営者モーニングセミナー
テーマ:『 骨肉の争いと倫理指導 』
講話者:平塚市倫理法人会 相談役(株)マルハチ 代表取締役 篠ケ瀬 隆 氏
今回の講師は倫理歴10年、平塚市倫理法人会第三代会長の篠ケ瀬相談役。10年と言っても、さらに中身の濃い10年。いつも準備から片付けまで、当たり前のようにいらっしゃる偉大な存在。その篠ケ瀬相談役が、骨肉の争いと題して、ご自身の身に起きた、相続にまつわる苦難をシェアしてくださった。
篠ケ瀬氏が熱心に倫理の活動に関わる理由は、創始者丸山敏雄先生の言葉にあるという。
「我万人の僕(しもべ)とならん。」
上に立つ立場の創始者が「僕になる」という境地に感じるところがあった。倫理法人会に何かを与えてもらうのではなく、いかに僕となって会に貢献するか。そこに大きな学びがあると言う意識が、積極的な会への関わりの理由だという。
与えるから、与えられる。与える側に回ることは、私自身もこの倫理法人会で学んだ大切なことだ。
そんな学びの深い篠ケ瀬氏でも、苦難はやってくる。中でも血縁関係の苦難は、重く苦しい。父親の会社を継いでいる篠ケ瀬氏は次男。三人兄弟での相続は、準備をしていても簡単には行かなかった。
自分自信崇高な学びをしているのに、身内の争いに巻き込まれてしまう。そのギャップが苦しかった。そして、それぞれの利害はこれまでの関係を台無しにしてしまう。兄妹だけでなく、当然周囲の関係者の利害も絡み、ことは複雑化していく。母親の想いも届かない、そんなことにも心を痛めた。
栞(に書いてあること)以外のことは起きない。親を大切にせぬような子は、大業を成し遂げることはできない。そしてタライの水の例話など、栞に書かれていることだけが、目の前で展開されたという。
篠ケ瀬氏はこの件で倫理指導を受けている。倫理指導とは、倫理法人会の会員が、資格を持った方に受けることができる個別相談だ。
「淡々とやりなさい。」
話を聞いてもらい、苦しみを共有する。心が軽くなったという。そしていつか相手と仲良くなれるように。今すぐは考えられないが、やはり大切な兄妹。その想いはこの先心の片隅に持ち続けることになる。
私自身は妻も含めて、相続は滞りなく済ませることができた。兄弟の仲が良いということは、とても大切なことだと、改めて感じた。
会社経営のことだけでなく、人生の問題に丸ごと活かせるのが、倫理の学びである。一時体調を崩されていたのは、こんな苦難を抱えていたからだった。こんな大変な時でも、会のために貢献する姿は、私自身の目標とするところでもある。改めて素晴らしい先輩と共に学べる時間に、感謝の念が深まりました。
専任幹事 内山 聡 記
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