第688回 平塚市倫理法人会 経営者モーニングセミナー
テーマ:『 私の中の大我と小我 』
講話者:(一社)倫理研究所 法人局 法人スーパーバイザー 木村 雅 氏
本日の講話は前日の倫理経営講演会に引き続き、法人局木村雅法人スーパーバイザー(以降SV)の講話でした。木村SVは大阪で地域フリーペーパーぱどの発行から配布、イベント関連事業などを営んでいる。大阪弁には必ずオチがあるらしい。真面目な話の後に必ず落とす。終始笑いっぱなしの中に、ご自身の体験から得た、非常に深い学びを語ってくれた。
子供の頃から父親との確執があった木村氏は、入学が決まっていた地元の大学を蹴って、家出同然に東京へ。自分の力で大学に入り就職をする。しかし母親が癌を患い他界、そのこともあり実家に戻り、祖父の代から運送業を営む父の会社に入る。
確執が消えた訳では無く、折り合いは悪い。社内で別事業を立ち上げ任されると、それは大赤字を出し、分社という形で独立した。その事業が現在の出版になるが、事業はその後の海外での気づきと努力で軌道に乗る。
しかし苦難はまとめてやってくる。会社を退いていた父親が介護状態になる。大手の台頭により自身の事業の雲行きが怪しくなると、嫁いでいた妹さんのご主人の会社が倒産、一家を引き取ることになる。挙句の果てに長男が離婚トラブルを起こす。
こんな時倫理法人会と出会ったのは必然だろう。しかも誘ったのは昨年この倫理経営講演会に登壇された佐藤福男氏だという。倫理法人会の講話で皆さんの自己開示に勇気をもらう、そして倫理指導という個別相談により、これらの苦難は劇的に解消されていく。
苦難には原因がある
苦難には意味がる
苦難はそのままで美しい
この意味が腑に落ちたとき、会社の窮地を救う大きな仕事の依頼がくる。そのきっかけとなったのは、引き取った妹のご主人の父親の感謝の言葉だった。事業が苦しいのに、妹夫婦まで面倒を見るという心が、苦しいから妹を呼び寄せてくれたのではないか? 兄弟で乗り越えるように。三年間の介護の末亡くなった父親の影が浮かんだ。
倫理指導は母親の気持ちに気づくこと。そして父親の本当の思いを知ること。あんなに嫌っていた父親は、若い頃自分が両親に贈った時計を、毎年手入れをしてピカピカにしていた。恩に気づいたとき、小さな自分小我が流されて、大我に気づく。
倫理の本質は深く、一般的な理解ではわからない。しかし体験した人の言葉から、それが伝わってくる。
恩の遡源
改めて深い学びをさせていただきました。
専任幹事 内山 聡 記
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