第659回 平塚市倫理法人会 経営者モーニングセミナー
テーマ:『 心を届ける経営手法 』
講話者:茅ヶ崎市倫理法人会 会員 合同会社エムシースクエア 代表 山口 直 氏
主人公は己自身である。
今回の講話者は茅ヶ崎市倫理法人会の山口直さん。しかし講話のオファーをした時は、まだ入会前。山口さんはマーケティングやブランディングなどで、企業をサポート、コンサルティングする仕事をされており、当会内山徹相談役が、山口さんのセミナーを受けて、講話者として推薦してくれた。
講話タイトルは心を届ける経営手法。ご自身のセミナーの一端をご紹介いただける、実践的で個人的にもありがたい講話。
冒頭の一文は、栞の中の人生神劇の一節。山口さんはサラリーマン時代、自分の人生を生きていなかったという。リーマンショック、東日本大震災の煽りを受け、転職を余儀なくされ、最後に所属した会社はノルマのきつい仕事。駅のホームから飛び降りたい。そんな感情を抱くほど、精神的に追い込まれていったそう。
そんな中コロナを期に会社をやめ独立を決意。これまで培ったマーケティングは、人に喜ばれる素晴らしい仕事だと気づき、人生の主人公の座を取り戻す。
ごく簡単にこれまでのご自身のことを話すと、早速マーケティングの講座をスタートさせる。
一杯2000円のコーヒー、あなたなら、どうやってこのコーヒーを100杯売りますか?一分で考えてください。
今日は聞くだけの講話ではなく、参加型のワークショップのようだ。みんな考え始める。2000円。コーヒーにしてはかなり高い。私なら簡単には買わないだろう。これを百杯売るには(自分が買うなら)かなりの付加価値が必要だ。コーヒー豆の希少性、バリスタの技術、絶品のおいしさ。
早速発表してみた。自分の知っている高級豆ハワイコナ、そしてハワイホノルルと姉妹都市の茅ヶ崎の海が見えるロケーション。2000円ならこの合わせ技でどうだ。他にもいろんな意見が出たが、同じコーヒーを販売するネスレは違う切り口で、商品の価値を届けている。
この一杯で家族との会話が弾みますよ! コーヒーの品質より「体験」。コーヒーを飲んでパートナーとのコミニュケーションの満足度が上がるという、調査結果に基づくものだという。
商品の価値は?
・機能価値 商品そのものの価値
・感情価値 顧客感情を変化させる価値
P&Gパンパースが中国進出に苦戦。
機能価値:品質、価格、ブランドで訴求したが、全く売れなかったという。
→感情価値:子供の寝付きが良くなる、頭のいい子が育つ、パートナーとの時間が増える
中国国内シェア40%へ。
感情価値とはお客様に伝えたい心。そこで頭の中は自分の仕事に置き換えて考え始める。感情価値はなんだろう? 自分の本来の身体を手に入れる、揺るぎない自信を手に入れる。マーケティングでは基本なのだという。
さすが経営者の皆さんの中には、ご存知の方もいたようだが、頭でわかっているのと、できるのは違う。もちろん私も同じようなことは知っていたが、具体的に落とし込めていない。
お客様の求めているのは、幸せになること。機能価値だけでは、ある問題に陥ってしまうという。それは競争から抜けられないということ。より高品質、低価格、高付加価値。すると大手には敵わない。
お客様の求めているものは、幸せになる?ということ。みなさんがどんな途中経過を経て、どんな幸せになりたいのか? 家族、経済、心の安らぎ? その途中経過のストーリーが、お客様に伝えるべきもの。
今回は事例やワークショップでのアウトプットを通して、具体的なイメージが湧いた。自分がお客さんの時はよく見えるものが、売る側になると見えなくなる。
山口さんは終始にこやかに、我々の発する答えを否定することなく、拾い上げ、次の答えを導き出す。そのお客様の求めているものは、栞の中にある。栞は万人が幸福になるための道標。つまり最終的にはそこに繋がる。
栞を深く学ぶことで、我々の求めているもの、陥りやすい問題、解決の筋道がわかるはず。しかし表面的な理解では、「分かっているつもり」の先にはいけない。
そこに自分のやるべきこと「使命」がある。そう、万人が求めていて、そこに貢献することができれば、それは使命になる。まさにその使命に気づき、それを仕事とした山口さんは、今自分の人生の主人公を演じている。
我々に少しでも気づきとメリットがあるように。最後までそのスタンスで講話をしてくれた。
そしてそれは栞と倫理と繋がる。在り方を経営につなげる。これから隣の単会で、一緒に学べる。また倫理に心強い仲間が増えた。そう思えた講話でした!
専任幹事 内山 聡 記
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