第645回 平塚市倫理法人会 経営者モーニングセミナー
テーマ:『 笑顔のめぐりを作る 』~石田牧場が目指す三方良しの経営~
講話者:石田牧場グループ 代表取締役CEO 石田 陽一 氏
石田牧場の3代目の石田さん。牧場経営と株式会社めぐりのジェラートが有名な石田牧場グループのCEOを務めている。今後も様々な事業展開を睨みグループという形をとっているそう。会社の紹介では、奥様を中心に和気藹々とした雰囲気が伝わってが来ました。
大学時代ニュージーランドで実習。横浜市の人口に日本の北海道を除いた面積がある、ひつじが人口の9倍いる国。広大な牧場で楽しく実習してきたが、実家神奈川県の農業環境と比べて圧倒的なコスト、効率の違いに「この酪農に勝てっこない」と愕然としたスタートだったそうです。
しかし石田代表はすぐに考えを改める。ニュージーランドにはない、神奈川の強みは? 生産性は全く違うが、消費者が周りに圧倒的に多い。
小学校、幼稚園、学童などでの乳搾り体験など、地域のつながりを使った体験型の活動を開始。石田牧場のファンを作っていく。酪農を伝えるという使命が始まりだったが、集まった子供から教えられることがあったという。牛と触れ合うことで、子供たちが牛の姿に目を輝かせる。自分にとって当たり前の光景である牛の仕草が、当たり前でないと気付く。自分が牛を育てているのではなく、牛に生かされている。牛への感謝が、目の前の環境への見方を変える。また子供たちと触れ合うことで、この子供たちの口に入るものを作っているという実感が湧いたという。
この気づきから自身の家業にプライドを持てるようになったそうです。誰のために、何のためにこの仕事しているのか? 全ての仕事に大切な自己概念。「心身ともに健康な牛と人を育み、地域社会の繁栄に寄与する」石田牧場の経営理念は、この体験から生まれた。
そこで始めた実践は、徹底的な安心安全。全ての作業をマニュアル化。整理整頓、清潔、記録。凡事徹底。この理念が消費者に伝わっていくのを感じるようになったタイミングで、奥様と出会う。
奥様にも生き生きとしてもらいたいという想いは、プロポーズに現れる。一緒にジェラート屋を開きたい。(会場から「憎い!」の一言(笑)
なぜジェラートなのか? それは仲間の農家の果物や野菜をジェラートに練り込むことで、みんなを活かすことにつながる。笑顔のめぐりビジョン。ここに三方よしのタイトルが現れる。ジェラート屋さんは株式会社めぐりという法人名で展開している。
お客様、農家、従業員たちの三方が、笑顔のめくりをつくる。年間50,000人が訪れるジェラート屋さんは、この笑顔のめぐりが生み出した。
まさに有言実行。松下幸之助の成功の理由は病弱だったから、無学だったから。
従業員ファースト。こちらのこだわりを伝えたいというのではなく、従業員が心から楽しめないと伝わらない。社員仲間の喜びが我が喜び。スタッフを我が子のように愛しているか? 毎月の給与明細に手紙を添える社員は〇〇名。これを我々は倫理経営と呼んでいる。
自分の町に牛がいることを誇りに思ってもらいたい。この神奈川だからこそ、多くの人に酪農を伝えられる。このペースで子供達の体験事業を続けると、2030年には伊勢原市の半分の人口に当たる子供達が、石田牧場のファンになる計算。営業教育と笑ったが、その言葉に嫌味はない。本当に素晴らしい価値のあるものは、伝えることが貢献になる。
コロナ禍でも愛されるジェラート屋さんの売り上げは落ちない。「自分と縁ある全ての人々を幸せにする」感謝、信頼、誠実。中心に愛と、貢献を据える石田さんの人生理念。
今回の講話は、本当に沢山のヒントや気づきをいただいた。特に子供の教育は、私も目標の一つであり、ぜひこの営業教育を目指していきたい(笑) おそらく多くの挫折や学びを経ていると思わされる、石田さんが伝えてくれたのは、さまざまな経営のヒントだけでなく、人間としての在り方。経営者の在り方が会社を作る。
爽やかな笑顔で定刻ジャストに終わった講話は、大きな拍手に包まれた。素晴らしいビジョンを見せていただいた。さあやることは沢山ある。
とても前向きな気持ちが湧いてくる、素晴らしい朝となりました!
専任幹事 内山 聡 記
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