第606回 平塚市倫理法人会
経営者モーニングセミナー
テーマ:『 親との喜怒哀楽 』
講師:神奈川県倫理法人会 竹田 護 県内レクチャラー
今は、お姉さんから紹介された介護施設で介護の仕事をされているという竹田さん、人当たりも良く、誠実そうで、笑顔が素敵な好青年です。しかし、今の彼からは想像するのが難しいですが、長いニート生活を送っていたそうです。
小児麻痺の影響で体に障害(左足が短い)を持つ父親。その父親が、彼が小学3年生の時に会社をリストラされてしまいました。生活は母親がパートをしてなんとか稼ぎ出し、家の中の事は父親が行っていたそうです。
そんな家庭で育った小学3年の竹田少年に、その後30才を過ぎるまで、影響をもたらし苦しめたこと。それは、父親から母親に対する暴言でした。「お前とは価値観が違う。離婚するぞ!」繰り返されたのはこの言葉でした。
母は父親の状況を理解していたので(と思えるようになったのは最近)反発せず、受け入れていたようですが、竹田少年の心には「大好きなお母さんがいじめられている。」「そんな父親が許せない!」と心の中に大きな憎悪となって広がって行ったのです。ある日、我慢しきれなくなって、「そんなに離婚離婚というのなら、離婚すればいいじゃないか!」と父親に食って掛かった事もあったそうです。
父親との溝は深まり、壁は厚くなり、憎しみはどんどん膨らんでいきます。このような環境で育ったからでしょうか、彼は就職する年齢になっても就職することが出来ず、30才過ぎまでニート生活を続けることとなります。
そんな彼が、倫理と出会います。そして、倫理の研修で行った、負の感情を可能な限り紙に書き出し、それを燃やすというワークが彼を大きく変える転機となります。もちろん書き出したのは父親への憎しみの感情。彼をニート生活から脱却させ、父親との関係も急速に改善させ、今では誰よりも親孝行な息子となったのです。
今回の講話では、彼が送って来たこれまでの生涯を、その感情の変化をご本人およびご両親の喜怒哀楽と絡めてお話してくれました。
お話にも感銘を受けたのですが、今回、私が特筆したいのは、彼の素直さ(倫理で言う純情(すなお)です。長年のニート生活。彼がその間感じていたであろう暗い感情や閉塞感、脱力感、人に対する不信感等々の負の感情は相当なレベルに達していたに違いありません。それにも拘らず、倫理に入会し、倫理指導で「親をハグ(抱きしめる)しなさい。」と言われれば素直に実践し、両親と朝礼を実施したり、両親の前で講話の練習をしたり、両親の足を洗ってあげたり。倫理の実践を躊躇なく行う姿は見習うべきだと感じました。どうしてそんなに素直に実践できたのか? それともそこにはやはり葛藤があったのか? 次回はそんなお話を聞いてみたいと思いました。
彼は、倫理で学び、「父親の視点で見られるようになった」「母に暴言を吐いたものの、影で支えてくれた(面倒を見てくれた)」「ニートの時も守ってくれた(今はうまくいっていなくても、きっと上手く行くと信じてくれた)」「障害があっても家族を支えてくれた」等、父親への感謝の言葉を人前で言えるまでに成長しました。改めて倫理の実践の凄さを感じざるを得ません。
最後に、栞から以下を引用しておきます。この記事を読んだ方も、是非素直に実行出来る様に心掛けて行きましょう。
『すべて無条件に、このまま実行していただきたい。そこには必ず新しいよい結果が現れます。思いもよらぬ幸福な環境(まわり)が開けてまいります。」(万人幸福の栞 10ページ 「常に正しい」より)
今回も素晴らしい気づきをありがとうございました。
幹事 安藤 文逸 記
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